猫と彼女と、時々、パン

元パン職人の雑記ブログです

Menuメニューバーを表示する

フランスのパン屋。日本と比較した働き方紹介。

ボンジュール!

フランスワーホリ中のタカです。

 

今回は僕の働くフランスのパン屋さんの仕事内容を紹介します。

日本の時と比較しながら紹介していこうと思います。

 

「僕の働いているお店はこうだ!」又は「こうだった!」

 

という話ですので、すべてのパン屋さんに必ずしも当てはまることではありません(;^ω^)

ご了承ください。

 

皆さんに少しでもパン屋の事を知っていただけたらと思います。

 

 

お店の規模

フランスのパン屋さん(boulangerie)は、3部門で構成されています。

  1. パンを作るブーランジェ
  2. お菓子を作るパティシエ
  3. サンドイッチやサラダなどのお惣菜を作るサンドイッチマン

 

それぞれ自分の仕事しかしません。

ほぼ完全に分業されています。

日本との違い

 

フランスはパンだけじゃないパン屋さん。

 

フランスのパン屋はガトーとサンドイッチの量が凄く多いです。

パンとガトーとサンドイッチが

お店をパッと見て1:1:1の割合です。

日本だと大体8:1:1くらいで圧倒的にパンが多いですよね。

 

それと、日本ではメジャーなセルフタイプのパン屋はありません。

なのでもちろん、トレイやトングはありません。

 

ほどんどのパン屋さんはショーケースの中にパンが並べられています。

お客さんは販売さんに欲しいものを言って取ってもらう、対面式です。

 

休み方

僕のお店は、週休2日で1日7~8時間労働。

夏のバカンスで2~3週間お店の休みあり。

 

それもそのはず、フランスでは週の労働時間は35時間、年間のバカンスは5週間と法律で決められています。

 

日本との違い

 

日本 仕事=人生

フランス 仕事とプライベート=人生

 

フランスはとにかくホワイトです。まるで新雪の様(笑)

日本がブラックすぎるのですが(;^ω^)

 

残業なんてまずしませんし、休日出勤なんて考えはありません。

体調が悪ければ、すぐに休みます。

 

日本では長時間労働が美徳とされるところがありますが、

フランスにはそういう概念すら無いように思います。

 

働くだけの人生って、なんだか悲しいですよね。

日本人には、その人から仕事を取ったら、何も残らない人が多いのではないでしょうか?

 

商品

バゲットがシリアル配合のものやお店オリジナルのものを合わせて1日約800本。

日曜日や近隣のパン屋さんが休みの日は2倍焼きます。

 

その他にパンスぺシオ(バゲット以外の小麦・水・酵母・塩をメインとした食事パン)を7種類ほど。

パン・ド・ミ(日本で言う食パン)を小さな型で10個。

クロワッサン・パンオショコラは曜日によって変わりますが平均80個ずつ。

パンオレザン、クラバットを20個ずつ。

クイニーアマン、ブリオッシュ(ショコラ)、パン・オ・レ(ショコラ)、ヴィエノワ(ショコラ)は10個ずつ。

調理パンを3種類40個ほど。

 

毎日焼くもの以外に、週に1度か2度の頻度で大きな食事パンやハンバーガーバンズ、大きい食パンを焼きます。

 

日本との違い

 

パンは日本では嗜好品。
フランスでは主食。


この違いが商品に出ているなと思いました。

 

日本で見かける、メロンパンやアンパンやカレーパン、クリームパンは全くありません。

鮮やかなフルーツが乗ったデニッシュもほとんど見ません。

それと、お惣菜系も少なくて、あってもピザやフーガスくらいです。

 

仕込み・分割・成形・焼成が楽な、サイズの大きい食事パンが殆どです。

作る側としては、作業が楽なのでありがたいです(*^_^*)

 

 仕事内容

ブーランジェは午前と午後の2交替制です。

午前中は基本2人で、午後は1人で作業します。

 

午前(5:00~13:00)

  • 前日仕込んだパンの焼成
  • バゲット、の分割→成形→焼成
  • サンドイッチ用のパン作り
  • お惣菜系の製造
  • 翌日焼成するパンの仕込み→成形
  • 翌日の仕込みの粉の計量

 

主に2人で、窯と仕込みに分かれて仕事をします。

 

 朝は出勤してから7:30のお店の開店に間に合うよう、2人でパンの焼成をします。

前日成形して冷蔵発酵させてある生地はそのまますぐに窯へ。

前日成形できない生地(バゲットなど)は来てすぐ分割、成形します。その後焼成。

どのパンも発酵具合はそんなに気にしません(;^ω^)

 

その後は窯と仕込みに分かれて作業します。

窯の人は、バゲットの分割~焼成を繰り返します。

 

仕込みは前日に粉類が計量してあるので、イーストと水のみを計量します。

仕込み終わった生地はすぐに冷蔵して、時間があるときに窯の人と共同で分割、成形を行います。

 

お店には小さなダブルアームのアートファックスが一台と、バゲット用の大きなスラントミキサーが一台あります。

 

バゲットは1度に最大で粉100k分回す事ができ、普段は午前に1回と午後に1回の一日2回、仕込みます。

 

午後(12:00〜19:00)

  • ヴィエノワズリーの分割、成形。
  • クロワッサンの折り込み。
  • 翌日折り込むクロワッサン生地の仕込み。
  • バゲットの仕込み、焼成。
  • 翌朝焼くパンのセット。
  • キッシュやタルトのフォンセ。

 

午後は12時からで、来てすぐにクロワッサンの折り込みをします。

だいたい1日10玉分で、3キロの生地に1キロのバターを折り込んで行きます。

クロワッサン、パンオショコラ、パンオレザン、クイニーアマン、それとパティシエールとチョコチップを挟んだクラバットを作ります。

16時前後に終わり、それからバゲットを仕込んだり焼成したりしながら、翌日焼くパンをセットします。

 

夕方にバゲットが売れるので、欠かさないよう。

かつ、売れ残らないように様子を見ながら追加で焼きます。

 

 日本との違い

 

フランスのパン屋は力仕事!体力さえあれば大丈夫!

日本は細かい作業が多すぎ!(分割、成形が面倒)

 

日本のパン屋さんの多くはブーランジェしかいません。

なのでフランスではパティシエが行う仕事も、日本ではすべてブーランジェがやります。
例えばクリームを炊いたり、菓子の製造をしたり。
 
つまり、フランスは覚える事や必要なスキルは少ないと思います。

ただ、とにかく製造量が多いです。主にバゲットですが(;^ω^)

 

製造量が多いため、機械を使うことが多くなります。

粉や水はタンクが近くにあり、スイッチ1つで計量できます。

分割も成形も機械です。

 

まとめ

フランスのパン屋を日本と比べながら紹介してみました。

僕がフランスのパン屋で働いて、一番いいと思ったことは、

 

休みがしっかりあり、労働時間も短いのでプライベートの時間がある。
 

 ところです。

逆に悪い所は

 

プライドをもって仕事をする人が少ない。

 

という事です。

 

フランスに来て働いて、日本の働き方と比較する対象ができたので、その違いについて考えることが多くなりました。

良い所は見習って、悪い所も理解して、自分のお店を持ったときの参考にできればなぁと考えています。

 

 

にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村